ついに入園した保育園。しかし、今までと違い、定型児たちと生活していかなければなりません。そして、コミュ障の私にも、ママ友関係というとてもつらい苦手な試練が待っていました。
タカくんとクラスメイトの定型児との関係
定型児の皆さんは、降園後にお互いの家に遊びに行ったりよくしてました。さみしいけど、うちには関係ないことです。だって親子ともにコミュ障だしお友達なんて夢のまた夢ですから。タカくんは言語レベルもちょうど一年くらい遅れていて、せっかくしゃべりかけられても関係ないCMのマネとかしてしまうし(自閉症児によく見られるエコラリアという現象)、とにかく運動が苦手で、その上知的障害なので遊びのルールも理解できません。たとえば、鬼ごっこでタッチされたら次は自分が鬼だよってことすらわかりません。目に見えないルールはわからないからです。そんなタカくんにかまってくれる子は多くはありませんでした。
保育園では相変わらず一人で三輪車に乗ったり部屋でミニカーを揺らしていたりするだけで、お友達なんて全然いません。いわゆる受動タイプで脱走したりの問題行動も起こしませんが、なんせコミュニケーション力が絶望的なので。
どうしてわかるかというと、ここの市のすべての公立保育園では月に一回園を未就園児に開放していて、どんな園か見学に来られるようになっているのです。もちろんオムツやミルクの部屋も用意されていますし、親同伴ならオモチャも使い放題、園庭でも遊び放題。ボランティアの方が絵本を読んでくれたりもしますし、保育園に入る前に雰囲気に慣れさせることもできるので、大変ありがたい制度です。
これは「園庭開放」と呼ばれ、全国の自治体で行われていますので、新しい環境に慣れることが苦手な発達障害児のお子さんをあらかじめ入れたい園の園庭開放に連れていってみるのもいいかもしれませんね。まずは入り口までとかでもいいので…
そこで、私は妹のアヤちゃん(当時二歳なりたて)を開放デーに連れていきがてら、タカくんがどのように園で過ごしているか観察していたからです。タカくんが一度も誰かと遊んでいるところは見たことありません。でも嬉しそうに一人で大型三輪車で園庭を何周もグルグルまわっていました。
お友達の家にいざ見参!
ところが、年中で入園して数か月が経ち、人のマネをするようになってきたタカくん。降園時に他のお友達が「〇〇くんの家に今日行っていい?」「うんいいよ」というやりとりをしているのに気づいてしまいました。
もともと人の言っていることの記憶力がいいタカくん、オウム返しではないですが、周りの子が言っていることと同じことを言いたくて、全然仲良くない子で親同士もほとんどしゃべったことがない子のママにこう言ってしまいました。
今日おうちに行ってもいいですか?
え、い、いいよ
ど、どうしよう…断るのもおかしいし…でも自分の意見も言えないのに一人で行って大丈夫なんだろうか?
でもついていくわけにもいかないよね?
ほかのクラスメイトたちも一緒だったので、不安はありましたが行かせてみることにしました。帰りは私がその子のおうちに迎えに行きます。時間にして一時間ほど。果たしてどうなる?
仲良くないお友達の家に遊びに行った結果
そして、何かやらかしてないか、知らない家でパニックを起こしていないか、トイレの粗相とかしてたらどうしよう!とおののきながら一時間後に迎えに行きました。他人と接するときどんな顔をしていいかわからないので、ピンポンを押したらとりあえず慣れない全力笑顔で、
今日は遊びに行かせていただいてありがとうございました。ホラ、タカくん!「お邪魔しました」は?
おじゃましました(←オウム返し)
そうすると、お邪魔した家のママさんがなんか意味ありげに
なんか…とってもおとなしい子なんですね
あはは…(力のない笑い)
タカくんは、他人の家に遊びに来るということは理解していましたが、遊びに来た先でどうするということはわからなかったみたいで、ずっと一人でミニカーで遊んでいたみたいです。後で知ったのですがその家のママさんは発達障害児のデイサービスでパートしている方なので、ピンとくるものがあったのでしょう。
ちなみにそこの家の子であるクラスメイトは運動神経抜群の頭もよいいわゆる陽キャで、絶対にスクールカーストでは上位タイプの子です。
それからというもの、そのママさんにずっと遠くから意味ありげなチラ見されるようになり、なんとなく居心地悪かったですね。
なんか用ですか??
って言いたいくらい視線を感じました。気のせいではないと思います。気づかないふりはしていましたけど。もちろんそれ以来こちらが遊びに行くことも向こうの陽キャクラスメイトがうちに来ることもなく、なんだったんだろうって感じです。まだお友達の家にお邪魔するのは早かったのかなあ。タカくんが他人というものを認識できるまではまだまだ時間がかかるようです。
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