現在小学四年生のタカくんは人の声が苦手で、特に大声が苦手です。大声で指導されたりすると、怒られているのだと思ってしまいパニックを起こしてしまいます。なので、私はなるべく声を荒げたりせずに理性的にさとすようにしていました。しかし、そうもいかないときもあるのです。
妹の嘘
タカくんの妹のアヤちゃんは現在小学一年生ですが、タカくんと対照的に非常に気が強く、自分の主張を絶対に曲げないタイプです。何かやらかしてもいつも人のせいにして逃げようとしますし、怒られそうになったら「お母さんだいすき!」と言って抱きついてくるので、結局怒れなくてなあなあになってしまったり…
そんなある日、学校から電話がかかってきました。
アヤちゃんが「昨日インフルエンザの予防接種を受けて痛いから、体育のテストはできない。お母さんも休んでいいと言った。」って言ってるんですけど本当でしょうか?
そんなこと一切言っていません
なんと、体育のテストにやる気が乗らなくて(体育自体は得意なのに)嘘をついて休もうとしていたのです。ちなみに、インフルエンザの予防接種を受けたことだけは本当です。まあそこはふーんなんでだろうと思って流していたのですが…
夜になって事件は起きた
夜になってお風呂も入ってさあ寝ようというときに、アヤちゃんが宿題を終わっていないことが判明しました。宿題やったよ!と嘘をついていたんです。時間的にいまさら宿題をやらせることもできません。
昼間のこともあり、このまま嘘をついてやりすごす子にはなったらマズイ、ここはきつく叱らねばならない!と決意した私は、いつもよりきつめに叱りました。しかし、きつく叱ったところでアヤちゃんにはたいして響かないみたいでふくれつらしているだけです。
そしてついにはアヤちゃんが逆ギレしてオモチャを壁に投げつけ、壊してしまいました。ここで私も思わずヒートアップ!ここで引いてはいけない!何度も嘘をついて逆ギレして物まで壊すなんて、ロクな大人にならない!
きつくお灸をすえていた(もちろん手はあげていません)そのとき、旦那さんが帰ってきてしまったんです。それを察知してとっさに泣き出すアヤちゃん。鬼の形相の私と泣いているアヤちゃんを見た旦那さんはもちろん私が悪いと決めつけて、私に怒鳴り散らします。
これで形勢逆転、私が寝室から追い出されました。アヤちゃんは、強いものに媚びれば嫌なことはしなくてもいいって思ってしまったでしょうね。暴力や恫喝で言うことを聞かせようとしたり、いつも私のやり方をバカにして邪魔する旦那さんは許せないし消えてほしいと思ってます。子どもが小さいので身動きは取れませんけど。
タカくんのパニック発動
そして、旦那さんと大声でやりあっていたためについ忘れていました。タカくんが大声に弱いということを…
ふと見ると、涙を瞳いっぱいにたたえたタカくんがこっちを見ているんです。そして、ついにパニックを起こし大声で泣き始めました。
しまった!タカくんが大声や争いの声が大の苦手だってこと忘れてた
てっきり夫婦喧嘩(旦那さんが私を一方的に怒鳴る)を見てビックリしてしまったのだと思いきや、パニックを起こして泣いてしまった理由は
ぼくのだいすきなお母さんが、ぼくのだいすきなアヤちゃんのこともうずっときらいになってしまったらどうしよう!心配だよう!!
なんとも胸がギュっとしめつけられるようなかわいらしい理由でした。「大丈夫だよ、嫌いになったりしないよ」と抱きしめるとパニックはすぐにおさまりました。私はふだんそれほど怒ったりしないのでびっくりしたのもあると思います。ただそれだけではなく、人の気持ちを想像するのが苦手な自閉症だけど、大好きな妹のことを嫌いにならないでほしいという優しいタカくんの気持ちに、心の成長を感じた秋の夜でした。
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