障害児は保育園にも幼稚園にもはいれない!?来年度行く場所がない…

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発達障害児の進路

 三歳児の年少の時代に、普通の子の6割くらいの知能しかない自閉症スペクトラムと診断された息子を療育センターに通わせることを決断した私。しかし、療育センターに通いABA(応用行動療法)の指導法を確実に続けるうちに、事態が好転し始めました。

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来年度は幼稚園や保育園にはいることができるのか?

 まず、幼稚園に入るにはいろいろなハードルがあります。特に私の住んでいるところには私立の幼稚園しかなく、発達支援教育は一応対応していますが、名ばかりなのが実情です。自然派をうたう幼稚園には入園説明会でひどい目にあったので除外。もう一つのお勉強系幼稚園も、できない子は放置されると聞いて除外。まあ私立だから向こうも商売ですし仕方ないですけどね。もう一つ、認可外の宗教系幼稚園がありますが、そこはバイリンガル教育が目玉とされていて、ついていけないし発達支援教育に対応していないので除外。

 それに、小さい頃からバイリンガル教育を施すのは、言葉の遅れている子にはさらに混乱をきたすためにやめたほうがいいと主治医からも言われていたのです。三歳も後半でまだ二語文しかしゃべれないのにバイリンガル教育は無謀ですよね。

 公立の幼稚園がないため、あとは私立の保育園か公立の保育園かの選択になります。私立の保育園も非常に先生が厳しいのと出産前後の一時保育でひどい目にあったので除外。

 そうすると、公立の保育園一択となるわけです。しかし、幼稚園と保育園の違いもいまいちわかってなかった私にここで大きな壁が立ちはだかります。

来年度は公立保育園に心を決めたけど…

 来年度、公立の保育園で加配の先生(障害児やグレーゾーンの子の集団生活を手助けをしてくれる先生)をつけてもらってゆっくりと集団生活に慣れていってほしいというのが私の願いでした。体験入園した時も、本当はダメなんですがちょっと口の軽い担任が「この子とこの子と~~は加配がついてます」と口を滑らせ、実にクラスの三分の一弱が加配がついていたのです。ということは、先生方も私立保育園と違ってうちの長男のような子に慣れているはずなので、落ち着いて園生活が送れるはずです。

 この地方では公立幼稚園がないために代替施設として保育園に入ることができます。保育園に入れるために特に働いていなくてもよく、定員もガラガラで先生の配置も余裕があり、雰囲気もゆったりしていて、少し古いけど公立保育園に入れてもらおうと決めました。それなのに、突然、市がある決定をしたのです。

来年度の行き場所がない!

 なんと、突然来年度からは母親も働くことが義務付けられてしまったのです!それは当然と言えば当然なんですが、みな幼稚園の代替として入園していますので在園児のなかでも働いているママさんは非常に少なく、延長保育もない園でした。突然の決定で、急に勤務先の就職証明書も必要です。途中から幼稚園に転園するわけにもいかず、ママさんたちはバタバタしてなんとか就職先を見つけたり、働かないけどとりあえず在園するために、証明書を書いてもらえる知り合いを探したりしていました。感覚でいうと、知り合いに証明書だけ書いてもらって就職はあとでゆっくり探すという人が多かったですね(ほんとはダメですが)。

 困ったのは私です。引っ越してきてそれほど時間も経っておらず、そのような証明を書いてくださるような知り合いはいません。それに、妹はまだ一歳になったばかり。この田舎でも0歳児から預かってもらえる保育園は限られており、常に満員の状態です。シングルマザーの方などが優先されており、0歳児からはいっていないと枠内に入れる見込みはありません。

miki
miki

え?保育園はいれないじゃん!!

 私は焦りました。とつぜん週に16時間以上働くことが入園条件に義務付けられてしまったのです。でもその16時間、一歳の妹はどうするの…

miki
miki

市役所さん!こんな場合どうしたらいいんですか!?来年度行く場所がないんです!

 私は市役所に相談しました。ここの市は地元率が高く困ってもばあばが預かってくれる人が多いため、誰も預かってくれる人がいないワンオペママのことなどまったく想定していないのです。市役所の返答は

市役所職員
市役所職員

働けないのなら幼稚園に入れてください。

 だから!幼稚園には断られているんだっての!来年度からどうすればいいのよ?社会福祉が必要なのに、そこからこぼれてしまう私たち。

 市役所の福祉課の人たちも、療育センターに通うママさんたちはこの規定から除外してくれないかと懸命に戦ってくれたらしいのですが、市の出した結論は「例外は認めない」でした。どうやら就園年齢でも療育センターに通うような子どもたちは、年中から私立幼稚園に通うことなど無理なんだということが机の上の議論ではわかってもらえなかったようです。市役所に嘆願書も出してみましたが、結果は同じ。

 私の狙いは加配の先生に発達支援教育をしてもらうことだけではありません。その保育園の子はほとんどの子がそのまま同じ小学校に上がり、同学年の半数以上がその保育園出身の子どもたちになるため、それほど環境を変えずに入学できます。環境の変化に弱い自閉症スペクトラム児でも、ストレスを最小限にできるのではないかと思ったのです。それにタカ君がどんな特性を持った子なのかを多くの子に知っておいてもらうことによって、いじめの発生も防げるのではないかと考えたのです。

 でももう万策尽きた…あきらめてお勉強系幼稚園で二年間放置されることを選ぶか、未認可の宗教系バイリンガル教育幼稚園でますます言葉が遅れるかの二択しかありません。

救いの手が

 途方に暮れている私を見かねたのか、福祉課の人が、「妹ちゃんの看病という名目なら入園を許可してもよい」と言ってくれました。そうです、あの市民病院でのドタバタの末に病気が発覚した一件です。それでなんとか保育園に入園申請することができました。

 保育園の入園申請をするときに、タカ君と受付員とで簡単な面接テストがあります。ここで走り回ったりまったく質問に答えられなかったりすると保育園には入れません。でももう療育前の何もできない何も聞いていない座っていられないタカ君じゃありません。3歳と9か月になってちゃんと指差しもできましたし、自分の名前も言えましたし(年齢は言えませんでしたが)、質疑応答の間ちゃんと座っていられました。そして、面接が終わった帰り道のこと。タカ君がぽつりと言いました。

タカくん
タカくん

ぼく、がんばったよ

 タカ君は今日はいつもと違う面接の日だということをちゃんとわかっていて、自分なりにとてもがんばって質問に答えたみたいです。とても成長したタカ君に思わず目の奥が熱くなってしまった私でした。

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夫激務、両家両親遠距離、友達ゼロの高齢アラフィフぽんこつメタボADHDママが自閉症児を子育て中!

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