発達支援センターに週4で朝からお弁当を持って通う毎日。親子通園なので自由時間にはママさんたちともしゃべらなければならず、人付き合いの苦手な私には地獄の毎日。誰だって疲れているときはしゃべりたくなかったりしますよね。通いだして半年がすぎて三歳と半分になっても長男は二語文がやっとくらいでオムツも取れません。こんなに頑張っているのに、全然先が見えない。療育って何か意味があるの…そんな風に思い始めていました。
家を出るのも一苦労
子どもを育てた人ならわかると思いますが、一人で二人の幼い子を連れて出かけるのはかなり大変です。ましてや一人は知的障害を伴う自閉症スペクトラムで多動あり。もう一人はまだ離乳もしてない一歳になるかならないかです。赤ちゃんはすぐに服やタオルを汚しますし、夫もかなり着替えがいる仕事でとにかく洗濯物が多く、朝に最低二回は洗濯機を回して干さなければいけません。乾燥機にしてもいいんですが、子ども服って洗濯乾燥機不可のものが多くて。
おまけに弁当も異なる三人分(私の分、偏食の長男の分、離乳食&ミルクの妹の分)で、長男は着替えも一人ではできませんし、口頭指示はまったく通りませんのですべてつきっきりで仕度をします。妹にも授乳して足りない分はミルクを作り…時間がいくらあっても足りません。長男の激しい夜泣きでろくに寝られないので頭もボーっとしたままです。
しかも自分も発達障害持ちで、特に時間に間に合うことが非常に苦手なので、いつもドタバタして遅刻しそうになりながら通園していました。通園帰りの車では疲れ果てて居眠り運転しそうになったりも何回もしました。朝9時半から家を出て、支援センターでめいっぱい子どもといっしょに体を使った療育を受け、帰宅できるのは午後2時半。そこで最低限の家事をこなして少し仮眠。夜は11時頃までなかなか寝てくれず、午前2時から一晩中夜泣きが始まる。おまけに金曜日は妹の病気で通院。土日も夫は仕事関連でいないのでワンオペ。一息もつけずハードな毎日でした。
一冊の本に出合う
そんなある日のこと、発達支援センターの貸し出し図書コーナーに気付きました。貸し出しノートを見ると、何か月も誰も借りていません。まあそれもそうでしょう。だいたいみんな発達障害児育児でクタクタですし、なんと週4でセンターに通い、あとの3日は生活のためにフルタイム勤務しているという猛者もいるので本なんて読む暇も心の余裕もないですよね。ただし私は昔から本の虫で、小学校でも休み時間は友達と遊ばずに図書館に通い、小2のときの一年間で図書館に置いてあったすべてのドキュメンタリー本を数十冊読破したというくらいの本好きなので、試しに借りてみることにしました。
それはABA(行動療法、行動を変えることで正しい結果に導く)というものをわかりやすく書いた本で、適当に借りた一冊なのですが、流し読みしていてふと目に留まった項目がありました。
「良い行動をしたときは褒め、悪い行動をしたときは無視する」(←書いてあったことを略しています)
そんな簡単なことで長男が言うことを聞くものだろうか…朝にチャイルドシートに乗せることすら暴れて一苦労なのに?と疑問に思いましたが、べつに試すのはタダだし効果がなければやめればいいし。そんな軽い気持ちで、朝に発達支援センターに行くときいつもどおり長男が興奮して暴れてしまうので、いつもは「こら!早く座りなさい!遅れてしまうでしょ!」と怒って言っていたけど、暴れている間は無視して、チャイルドシートに座れた時に
ちゃんと座れてえらかったね!
とイライラしながらも無理やり笑顔を作って言ってみました。でも、口頭指示のまったく伝わらない長男のことだから、この言葉かけが通じているわけがない。こんなの気休めだよ…
次の日の朝
その次の日も朝も、ドタバタしながら弁当水筒ミルクなどを大量に抱え、片付ける時間がなくて朝食の食べた後もそのままに子どもたちを車に連れて行きました。
はあ、今日もチャイルドシートに乗せるの一苦労だよ…ウンザリだなあ
と思っていたら…え??長男が自分からチャイルドシートに座った!!??どういうこと!?
なんと!昨日の私の言葉を覚えているようで、自分からチャイルドシートに座ってニッコリしているんです。いままであれほど毎朝チャイルドシートに乗せるのを苦労してきたのに?たった一日で?たったひとことでこんなに変わるなんて嘘でしょ!でも本当のことなんです。
もしかして、長男はしゃべれないけど実はある程度言葉がわかっていて、私の指示の出し方が間違っていたの…?
ちなみに回し者ではありませんが借りたのはこの本です。おそらく他のABA本でも書いてあることは同じですし、誰もが効果があるわけでもないかもしれません。が、私と同じように子どもの行動に困っている方は一度このような本に目を通しても損はないと思います。絵や図が多くて、忙しくてもわかりやすく読みやすいです。この本は、就学前のほめられているか怒られているか程度がわかる子どもへの対応向きだと思います。
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