つらい時に優しくされるととても嬉しいですよね。孤独な時に声をかけてくれる人なんてまるで神様みたいに思えますよね。でも、それが思わぬ罠だったとしたら?
孤立する私たち親子
年中から普通の公立保育園に転園した自閉症スペクトラム(DQ58)のタカくん。知的にも低く言語能力も一年以上の遅れがあり、当然クラスメイトたちとはうまく関われません。担任の先生は新規採用の男性で、日々の生活に慣れるのにいっぱいいっぱいという感じ。加配(サポート)の先生は副園長先生で、ベテランでとってもいい人なのですが、なにせ忙しく、タカくんにつきっきりというわけにはいきません。ママさんネットワークも、子ども同士が仲良くなることから形成されていくことが多く、それにすでに年少から派閥が形成されていて、年中から入った友達のいないタカくんとコミュ障母の私たち親子は日に日に孤立していくことになりました。若いママさんの中には挨拶を返してくれない人さえもいました。
そんなとき、声をかけてくれる親切なママさんが現れました。
ママさんの家に誘われる
うちに来ない?お茶しながらみんなで子育ての悩みとかしゃべりましょうよ!
え?いいんですか?喜んで!!でも緊張するなあ…
同じクラスの〇〇さんとか◇◇さんとか近所のママさんたちも来るから大丈夫よー
それならぜひとも行きたいです!
これでボッチのみじめさからも解放される!これが噂のママ友ってやつうー?
なんてウキウキしていたバカな私…
ママさんの家に行ってみると…
聞いてみるとわりと近所だったママさんの家は古びたアパートの一室で、失礼のないように手土産にお菓子を持っていきました。確かに同じクラスの近所のママさんたちが6人くらいいて、お菓子やお茶も出してもらって和やかな雰囲気です。そして、しばらくして玄関の呼び鈴がピンポーンと音をたてました。
入ってきたのは二人組の知らない女性。この人たちはなにかの先生らしく、何かを教えてくれるみたいです。
その女性(なんか偉い人みたい)がさっそく「子育ての悩みはありますか?」と順番に聞いていきました。私は子育ての悩みはありすぎるけどクラスメイトのママさんばかりなので「自閉症で多動で知的障害もあるので将来真っ暗です」なんて言えるはずもありません。
実は子どもが言葉が遅くて…
なんてお茶を濁しました。実は一年4ヵ月も発達支援センターに通ってABA行動療法を学び、言語訓練にも通っているので、どこの誰かもわからない人のアドバイスなんて要らなかったんですけどね。
一通りみんなの悩みを聞き終わると、その先生ぽい女性はコピーされた紙を配り始めました。それは何かの本の一部をコピーしたもので、要約すると「確かな親の愛で子どもがまともに育つ」みたいなことでした。
そうは言ってもうちは発達障害だからそれには当てはまらないんだけど、ここで声高に反論してもしょうがないし黙っておこうっと
和やかな感じで会は2時間くらいで終わりましたが「あの人たちは誰なの?」という疑問はなんとなく心の奥底にくすぶったまま帰路につきました。(つづく)
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