自閉症スペクトラム児が無謀にも幼稚園見学に行く

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発達障害児育児(過去)

 前回、夫がまったく息子の自閉症スペクトラム障害の診断を受け入れない話を書きました。私は何とか夫に理解してもらおうと主治医に相談をし、一計を案じました。それは、健常児たちが通う幼稚園に夫婦で見学に行くことです。ほかの定型発達の子どもたちを見れば、自分の息子が置かれている状況が少しは理解できるかなと思ったのです。ところが、これがひどく自分自身を傷つけることになるとは思わなかったのです…

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あこがれの幼稚園

 お勉強系幼稚園は発達指数の関係で最初から無理なのはわかっていましたし、自然派を売りにする幼稚園に見学の予約を取ることにしました。
私はその頃(長男二歳半くらい)には幼稚園保育園ではなく療育園に通わせることに心を決めていましたので、これは完全に夫に幼保をあきらめさせるための計略です。

 その幼稚園は少し山のほうにあり、素敵な園舎や大きくて楽しそうな遊具などが外からチラ見えしていて、私はずっと息子をそこに入れるのが夢でした。近所のみんなと同じ幼稚園に通って、お友達をいっぱい作って、音楽や芸術などに触れたり、夏はお祭り、秋は芋ほり、豊かな自然、さらにお勉強もしたりして、楽しく過ごしてほしい。そして、そのママさんたちと私もお友達になって、家族で行き来したりしてみんなで楽しく過ごすんだ!そうなったら最高だね。

 そんなありふれたささやかな夢も、私たちには見ることを許されないのでした。

いざ幼稚園見学へ

 見学のために私たちやほかの数組の家族が園につくと、丁寧に出迎えられました。幼稚園見学に夫は大いに乗り気でした。この幼稚園に入れる気満々です。ちょっとこの作戦はしくじったかもしれません。よく考えたら、ニブい夫が息子と他の子との違いなんて、ちょっと見ただけで気づくはずがありませんから。近所の子どもたちもみんなここに行っていましたし、先生たちもとても感じが良かったです。非常に人気の園で、入園書類を受け取るためには徹夜で並ばなければ手に入らないくらいです。

 園内を案内してくれた園長先生も気さくな方で、この園は自然教育に力を入れていて、広大な畑で自分たちで作物を育てる体験をしたり、夏は音楽ライブを開催したり、体操教室、英語教室もあるなど、とても充実していました。

 活動している園児たちの顔も非常にイキイキしていて、本当に楽しそう。そして、あこがれの幼稚園を見学してしまった私の心の中によからぬ考えがムクムクとわいてきたのです。

「もしかして、この幼稚園でもいけるんじゃない?」

 私の中のもう一人の夢をあきらめきれない私が囁くのです。ダメだって頭ではわかっています。療育を受けなければ!長男は自閉症なんだから!無理なんだから!だけど、この幼稚園は素敵すぎる…

パンフレットの中の注意書き

 しかし、ふと渡されたパンフレットに目を落とすと、このような一文があったのです。

発達障害を隠して入園された場合、退園していただきます。

 ただ、この園は市の補助を受けて発達障害児も受け入れている園ですので、正直に申告すれば入れてもらえるのでは?この先長男の進路について起こるであろう、夫と無駄なバトルもしなくて済むのでは?

 夫にあきらめさせるために幼稚園見学に来たつもりだったのに、いつの間にか自分自身が、長男もここに入れるんじゃないかという夢を見てしまっていたのです。ただし、それは大きな間違いでした。(つづく)

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夫激務、両家両親遠距離、友達ゼロの高齢アラフィフぽんこつメタボADHDママが自閉症児を子育て中!

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