療育センターの懲りない面々

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発達支援センター(3歳)

 タカ君が一年と4ヵ月通った発達支援センターにはさまざまな子が通っていました。感覚過敏、衝動が抑えられない、空気が読めない、体の発育が極端に遅いなどです。そして、そのような子どもたちを持つ親たちもけっこうパンチが効いていたりするのです。

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発達支援センターの勉強会が開かれる理由

 発達支援センターでは、ときどき母子分離の訓練がありました。絶対的味方である母親と物理的に離れて、保育士さんやほかの要支援児たちと別室で過ごす訓練です。うちは母親に興味がなく母子分離はすんなりいきましたが、母親に執着している子も多く、短時間の保育所や祖母や父親にすら預けることができないという子も多かったのです。これができないと幼稚園保育園には行けません。実際、保育園お試し入所で三日間泣き続けて落ちた子もいました。

 そして、発達障害を持つ子どもたちにはいきなり大きく環境が変わるようなことはできません。少しずつ、少しずつ、慎重に様子をみながら距離を離していかなくてはいけません(少しずつできることから始めてゴールに達する、スモールステップといいます)。なので、母親(父親でも)たちが隣室で待機して、最初は数十分くらいから始めます。

 その時間を利用して、講演会や勉強会が開かれることがあります。その日も、そんな経緯で勉強会が始まりました。

勉強会の内容

 その日の勉強会は「この発達支援センターに通ってよかったこと」を4~5人ずつのグループに分かれてディスカッションし、最後に発表するという内容でした。私はジャンケンで書記になり、ほかの人の意見を書き留める役になりました。

 その中のメンバーに、あるおばあちゃんがいました。いつもは母親が子供と一緒に来ていますが、その日は代わりに来たようです。そのママさんはいつもマスクをしていてあまり人としゃべらないタイプの人なので、私も全然しゃべったことはなかったため、どんな人かは知りませんでした。そのおばあちゃんは、そのママさんのお母さんというわけです。

おばあちゃんの主張

 私は書記で発表もしないといけないので、一人ずつ話を振っていきました。すると、特に振ってもいないのに突然先述のおばあちゃんが猛然としゃべり始めました。

 おばあちゃんによると、おばあちゃんの娘(=この施設に子どもと一緒に通っているママさん)は口唇口蓋裂という生まれつき上顎や唇がちゃんと閉じていない症状を持って生まれてきました。現代では数回の手術でほぼ目立たなくなるとされています。

miki
miki

なるほど、それでいつもマスクをされていたのかもしれないな

 そのママさん(おばあちゃんの娘)は、言葉もまったくしゃべれず知的にも非常に遅く、医者に

医師
医師

この子は一生〇〇病院(この地方で有名な重度心身障害者施設が併設されている)に入所することになるでしょう

 と宣告されたそうなんです。あれ?どっかで聞いたような…↓

 しかし、口唇口蓋裂の治療が進むにつれて知的障害や言語障害はなくなっていき、最終的には普通の子になったそうです。

 話し合いの時間が10分くらいしかないのにおばあちゃんは8分は演説していたと思います(笑)そして今、おばあちゃんの孫(今この施設に通っている子)もまた同じ口唇口蓋裂で、5歳になってもひとこともしゃべれない知的障害と言語障害も持っているそうです。

 しかし、自分の娘という最強の実例を知っているおばあちゃんの演説の最終的な結論は

「だから、こんな療育なんて意味ないのよ!」

miki
miki

え?私たちの努力を全否定…

 結局、おばあちゃんの独演会のおかげでまったく話し合いが出来ず、ほかのママさんたちも雑談を始めてしまい、話し合いの結論は私が適当に発表しました(笑)

 しかし、それほどの知的障害だったママさんが成人して普通の人になっているというのは、私としてもとても希望になりました。あのときのおばあちゃんありがとう。

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夫激務、両家両親遠距離、友達ゼロの高齢アラフィフぽんこつメタボADHDママが自閉症児を子育て中!

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自閉症の四角い青空

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