ワンオペ育児で、激しい多動で手をつないでいないとすぐに猛スピードで走り去ってしまう言葉の通じない長男と、生後四か月の第二子を連れて、ちょっと公園へ外出するだけでも一苦労です。それなのに、無謀にも母子通園の発達支援センターへ行こうとしていました。
発達支援センターのタイプ
発達支援センターというのは、読んで字のごとく発達の遅れている子どもの発達を支援してくれるところなのです。そこに通うためには、「受給者証」というものが必要です。これがあれば、いわゆる療育手帳がなくても発達支援センターに通うことができますし、自己負担額も1割で済みます。上限額もあるので、負担額は月数千円で済むでしょう。診断書があれば、市役所の福祉課等で発行してくれるでしょう。
受給者証をもらうというのは、それなりの覚悟が必要です。それは、自分の子が障害者で普通の子とは少し違うということを公式に認めなければならないということだからです。「この子は障害者じゃない!」とかグズグズやっているとすぐにセンターの定員はいっぱいになり、日々の生活のクオリティを上げる最大のチャンス、就園前の時期を逃すことになりかねません。
そして、地域によると思いますが母子通園と言って親子でいっしょに通園する施設と、子どもだけで学ぶ施設があります。普通は第二子がまだ小さいことから子どもだけの施設を勧められるらしいのですが、私に勧められたのは母子通園型の施設でした。子どもだけの施設があることはまったく知らされませんでした。負担が大きすぎて、正直最初の数か月はそちらに行きたかったですね。ただ、母親の養育能力がまったくないと断罪されていたので、役所には、私自身の養育能力の向上も必要だと思われていたのかもしれません。
見学に行ってびっくり
いよいよ、何か月も行きたかった発達支援センターの見学です。ドタバタで洗濯、朝ご飯、授乳、足りない分はミルク、をなんとか済ませ、小分けした粉ミルク、オムツ、白湯、母乳パッドなどをマザーバッグに詰め込み、朝食の皿やパンくずで汚れた床をそのままになんとか保健師さんとの約束の時間ギリギリにたどり着きました。ADHDの私には、この時間に間に合うという行為が本当に難しく、どんなに頑張ってもいつも数分遅れてしまうのです。
どんな施設でどんなことをしているのかな?ドキドキ…私の予想では、白衣を着た理学療法士さんみたいな人たちが黙々とトレーニングしているイメージでした。
そこは知っている人しか入れないような郊外の一方通行の裏道にあり、見えてはいるけどどうやって行き着くの?みたいなところにありました。コンクリート建ての立派な建物です。
緊張しながら教室にはいっていってかなりビックリしました。常に高速の四つん這いで走り回っている子、常に誰かをたたいて回っている子、常に号泣している子、常に部屋の隅の段ボールの中に入っている子、二歳になったばっかりくらいなのに一心不乱に字の多い本を読んでいる子、ずっとグルグル回っている子、頭を床に打ち付けている子、ずっと奇声を上げている子、無表情でまったくしゃべらない子…
私はこんな子どもたちを見たことがありませんでした。目の前で繰り広げられている光景にかなり度肝を抜かれました。それに、こんなに人数がいるのに(定員は15人)やけに静かで、泣き声以外は子どもの楽しいおしゃべりの声もしません。みんなそれぞれ一人だけの世界で生きているように見えました。
ここは、私たちみたいに世間から見捨てられた子どもたちの最後の楽園だ、そしてこれから私たちもその仲間入りをするのだ。気を引き締めていかなければ…
まとめ
発達支援センターに通うということは、子どもの障害を受容していなければなかなか難しいことです。覚悟を決めてなるべく早く障害を受容し、受給者証をもらってこのような施設に通うことが発達障害児育児に踏み出す大きな第一歩だと言えます。
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