ついに療育園を卒業して保育園へ

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発達支援センター(3歳)

 雨の日も風の日も雪の日も、タカ君と自分とアヤちゃんの三人分の弁当(大人用・偏食のタカ君用・離乳食のアヤちゃん用の三種)を作り、眠い目をこすりながら車で30分かけて一年と4ヵ月毎日通った療育園もついに卒園の時が来ました。

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卒園するまでの経緯

 まず、うちの自治体で療育センターから保育園等に移るためには、通いたい幼稚園や保育園で10月頃に当該児3日間ひとりで保育園で過ごす試験があります。その間、専門家が園で過ごしている様子を観察したりして判定します。ここでパニックを起こしたりまったく言うことを聞けないなどの場合は不合格となり、今までの親子通園型療育センターに引き続き通うか、年中の年齢以上の場合は単独通園型のセンターに通うことになります。

 私はこの試験にはけっこう自信がありました。年少の年齢の一年間の時間すべてをタカ君の療育にささげてきました。その甲斐あってか、タカ君はどんどん成長し、最初は3分と座っていられず、無表情でずっと黙っていたのが、朝の会で名前を呼ばれて元気に返事をしたり、クイズで手を挙げられたりと、集団に参加できるようになっていったのです。一年以上通って根気強く何百回も毎日同じことを繰り返してやっとですが。

 なんというか、小集団で根気よく同じことを繰り返すことで自分と自分以外の区別がついてきたというか。最初はお友達が人間なのかさえよくわかっていなかったようですが、3歳も半ば以降になるとだんだんお友達の顔と名前も覚えていきました。

 それにつれて、以前は無表情で感情がかんしゃくしかないロボットのようだったのに、自閉症特有のエコラリア(CMやテレビのフレーズなどその場に関係ない特定の言葉を繰り返す現象)が多くうまくは喋れないものの感情面ではどんどん人間らしくなっていきました。

 お母さんというというものは、高い所からおもちゃを取ってくれる便利な道具ではなく、毎日「大好きだよ」と言って抱きしめてくれるなんだかとても優しい存在だということも段階的に理解していきました。

センターの運営方針

 このセンターはABAという行動療法を徹底して用いており、先生方も経験と訓練を積んだ方々で、ぶれずに行動してくださるため、子どもたちも安心して通うことができました。

 親すら逃げ出すくらいの激しい暴力やかんしゃくの子どもたちも、ここのセンターの先生にかかると魔法のように言うことを聞くので、本当に感心しました。先生たちは決して声を荒げることもなく、強制的に連れていったりすることもなく、この世間から見放された子どもたちを根気強く丁寧に指導してくださいました。朝の支度からすべてが視覚化されていて、子どもが先の見通しができずに不安でパニックを起こすこともありません。私は母親として、まったく知らなかった発達障害の知識を一から学ぶことができ、家でも療育のやり方を実践することができました。

そして、年末もあとわずかの頃、念願の保育園入園の内定書が市役所から我が家に届きました。

卒園式にも工夫が

 卒園式では、母親も付き添って椅子に座り、園長先生やこの支援センターの経営者の方のお話などをおとなしく座って聞きます。これも、普通の幼保に行った時のための訓練の一環です。しかし、中には多動がひどい子や重度知的障害の子もいて、普通のようにはいきません。

 そこでひと工夫が。めいめいの席にはミニペットボトルで作ったキラキラ入りの手作りのハーバリウムがプレゼントに置いてあり、子どもたちは目を輝かせて夢中になっています。とにかく、話が聞けなくても見ていなくてもとりあえずその場所にじっと座って参加できるということが彼らには大事なのです。

 最後に本当にお世話になった女性の発達支援センター長の言葉に胸を打たれました。

センター長
センター長

ここにいるお母さんたちは、まず「発達支援センターに通う」という一歩を踏み出す勇気のある方たちです。これからもその勇気を大事にしていってくださいね。

 そうですね。この発達支援センターに通うということは、我が子が障害者で普通の幼稚園保育園には行けないということを公的に認めなければいけない本当に辛い決断でした。発達支援センターとは銘打っていますが、正式名称は「知的障害者通所施設」ですからね。

 ありがとう、先生たち。このセンターを作ってくれた人たち。私をここに通うように説得してくれた保健師さんや主治医の先生。主人の機嫌と世間体を気にしてあのまま黙ってお勉強幼稚園なんかに入れていたら、何の知識も持たずにタカくんに厳しく接するだけで、ますます地獄になっていたはず。人々の善意や社会福祉や知識のおかげで私たちはこれから保育園という一般社会に飛び出していきます。

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夫激務、両家両親遠距離、友達ゼロの高齢アラフィフぽんこつメタボADHDママが自閉症児を子育て中!

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