いわゆる、自閉症を扱った映画やドキュメンタリーなどでよく扱われるため、自閉症の人は必ず天才的な才能を持っていたりするなどと世間が誤解していることがけっこうあります。たしかに、音感や視覚に敏感な人が多いため、そのような人もいます。しかし、大半の自閉者は普通の人です。それどころか、精神遅滞を伴っている人が多いとされていますので、そのような才能を持っていて有益に使えている人たちはごくわずかだと思われます。
三歳でようやく二語文
長男は3歳1ヵ月でようやく二語文「〇〇ちょうだい」と言えるようになりました。自閉症は発語が遅いのが顕著な特徴です。発達指数は58で、軽度知的障害です。この時点では名前も言えませんし、座っていられませんし、他人とコミュニケーションできないため、毎日療育で訓練しても「貸して」「どうぞ」のやりとりなんて夢のまた夢です。
療育ママさんの言葉や、ABA(行動療法)の本の効果でがぜんやる気になってきた私ですが、当の本人はいたってノンビリしています。しかし、療育半年目で変化が現れてきました。
偶然気が付いた長男の変化
ある日、お風呂に入っていた時のことです。私は何気なく「(昼間やっていた療育での)シルエットクイズの答えはなんだったかな~?」と長男に聞いてみました。まあ二語文がやっとのこの子がそんなこと覚えてるわけないし、質問の意味がわかるわけないし、できるわけないけどね~なんて思いながら。
すると、二語文しかしゃべれない長男が「ぞう!」と正解したのです。
あれ?偶然?
たしかにシルエットクイズの答えはぞうでした。クイズは常に3問出るのでもう一回。 「じゃあ次の答えは?」「きりん」
合ってる…
念のために3問目を尋ねてみると「うさぎ」「正解!」
あれ?長男は喋れないしコミュニケーションもできないし、主治医からも「これからどんどんまわりからの遅れが目立ってくるでしょう」と言われているけど、なんか普通とは一味違う人間みたいだなあ…それとも、今日のクイズがよっぽど印象に残っていたのかな?それに、視覚的記憶は幼い子はたいてい誰でも優れているものだし。このときはそんなふうに思っていました。
コメント