私にも親がおります。母はある思想に傾倒していて私がその思想に反するとすぐにブチ切れ「しぬしぬ詐欺」を繰り返すかなり頭がおかしい人なのですが、父は正反対の人です。
父の人となりとは
父は物の少ない時代に多人数きょうだいの中間子に生まれ、生まれながらに揉まれてきたせいか、恐ろしいほどのコミュ力モンスターです。一度行った飲食店は次に行くときにはすでに常連扱いになっていますし、老若男女上司部下得意先どんな人とも瞬時に仲良くなってしまいます。仕事でも、狙った契約は必ず取ってきます。そして、社交的でどんな集まりでもありとあらゆる〇〇長に押し上げられています。
仕事というものは、値段の安さじゃなくその人に頼みたいから来るもの
が口ぐせです。
どんな場所にいても常にアイデアがわいてくるそうで、たとえば接待ゴルフをしているときにそこの支配人と仲良くなり「実は獣害で困っているんです」という悩みを引き出し、害獣対策の柵の設置の仕事を取ってきます。
かつてネットなどない昭和の昔に地元で広域水害が起きたとき、ほかの会社がのんびり待機しているすきに会社に余っていた土嚢を見つけ、公的機関に売りまくって成績を上げたこともあるそうです。
そのひらめきから、ある種類の特許もたくさん持っています。
ただし、その反面非常に生活面ではだらしなく、帰ってきたら服は歩いた場所順に脱ぎ散らかしてありますし、ものを片付けることは一切できません。そして、落ち着きがなく一分一秒でもじっとしていることができず、イライラしだして待つことはできません。服装には無頓着で、冬なのに夏物を着ていたりします。感情の制御は苦手で、突然激高したりもします。昔なので「男だから」という理由でこの辺は許されてきたのかなと思います。
昔はそんな定義はなかったでしょうが今でいうとADHDに分類されるタイプの人なのかなと思います。
印象的な父のひとこと
そんな父ですが、日本や世界を飛び回りってたくさんの面白い経験を持っていて、いつもその武勇伝やためになる話をしてくれました。とにかく人を動かすのがうまく、話を聞いているととても使えないようなポンコツ社員なども自由自在に動かしていました。もちろん人間なのでおかしなところもありますし、納得いかないことだってありますが、コミュ障の私はそんなコミュ力モンスターの父を尊敬していました。
そんな父に言われたことで一番印象深い言葉があります。
タカ君の療育にてんてこまいの毎日を送っていたあるとき、両親にあるめでたいことがあり、きょうだい達で盛大にお祝いをしようかという話になりました。すると父は
親の愛情というものは親から子への順送りなんだ。私は何も見返りは求めていない。だからお前は、愛情を私たちに返すのではなく自分の子どもたちにすべての愛情をそそいであげなさい。
この言葉に、親というものは幾つになっても親なんだなと感動しました。
と同時に、タカ君がもしこのまましゃべれなくて親の愛情がわからなくても、私は親としてずっと親にもらった順送りの愛をそそぎ続けようと心に決めたのでした。
コメント
お父様の言葉、心に響きますね。
これからも頑張ってくださいね。
コメントありがとうございます。
この言葉には私もハッとさせられましたね。
親の偉大さに感謝です。