二歳を半分過ぎても私のことがいまいち認識できていない長男。そのころ長男の妹に当たる第二子を出産しましたが、そのときも、母親に会いたかろうと姑さんが入院中に長男を連れてきてくれても、長男は「誰この人?」という感じで特に何も感じていないようで、普通の子じゃないのがバレそうでヒヤヒヤしていました。ちなみに義実家には障害のことは今でも伝えていません。もともとあまり歓迎されていない結婚だったので、お前が嫁に来たせいで孫が自閉症になったと言われるのが嫌だったからです。
きょうだい児の妹が産まれて
きょうだい児というのは、障害や病気のある兄弟姉妹を持つ健常児の子のことです。健常児によくあるパターンとして、下の子が産まれると上の子が赤ちゃん返りするとか下の子に意地悪するとか不安定になるとか言いますけど、長男の場合は知的にももともと赤ちゃんみたいなものですし、周りに興味もないので、特に変わりはありませんでした。ただ、きょうだいが産まれるというのは、非常にメリットもありますが負担が大きかったです。
うちは完全ワンオペ育児で、周囲の人のように「今日は子どもを親に任せて息抜きしよう」はできません。私が住んでいる場所は地元志向の田舎のせいなのか、完全ワンオペという人にはこの町ではまだ一人も会ったことがありませんので、共感してくれる人もいません。町内会や保育園や小学校のシステムも、役の間は子どもは親や親戚の誰かが見てくれる前提に作られています。おばあちゃんに保育園の迎えから晩御飯からお風呂まで入れてもらって実家に迎えに行くだけという人や、金曜の夕方から月曜の朝までずっと母方の実家にいるという人もいたりしますね。うらやましい限りです。
ADHD母のマルチタスクは困難
まあ話がそれましたが、私は毒親の実母に頼れないので出産後二週間くらいだけ姑さんに手伝いを頼み、それ以降は自閉症児への療育やら新生児の世話やらすべて一人で回してきました。それは、マルチタスクが苦手なADHDの私にはとんでもない苦行でした。
新生児の世話はそれでなくても大変なのに、出産後すぐの体をひきずって長男のためにやれ言語訓練だ療育だ言葉の教室だと飛び回り、療育センターやらの見学、保健師さんとの打ち合わせ、その合間をぬって第二子の〇ヵ月健診、大量の予防接種などのスケジュールも立てなくてはいけません。ADHDの私は時間や期日に間に合わせるということが非常に難しく、それだけでパニック状態になってしまいます。それなのに、母乳が出にくくてミルクと混合育児だったので、出かけるたびに適温のお湯とミルクと消毒した哺乳瓶を用意して、二人分の大量のオムツや長男のひまつぶしグッズや泣き止ませるためのおやつなどをマザーバッグにつめこみ、いざ出かけようとすると誰かが牛乳を床にぶちまける、といった有様です。
また出産のための保育園の一時入園のときも、長男は初めての集団生活でいろんなばい菌をもらってきてすぐに病気になってしまいます。そうすると、病院には新生児の妹もいっしょにつれていくしかなく、そこでまた病気をもらって、それがきょうだいに感染して…の永遠ループが始まります。
一番つらかったのが、夜間に長男の激しい夜泣きと三時間ごとに授乳しなければいけない新生児の両方を見ないといけないことです。正直このあたりのことはほとんど記憶にないくらい忙しかったですね。幸いにも妹のほうは非常に育てやすい子で助かりました。
きょうだいを作ることへの葛藤
うちの場合、長男の障害が発覚する前にすでに第二子を妊娠していたので何をどうするということはできませんでした。しかし、周囲に聞いてみるとやはり違いました。
一番気にすることはやはり「下の子も同じ障害を持っていたらどうしよう」という心配です。発達障害は遺伝する可能性があるのか、きょうだいで療育に通っている方も大勢いらっしゃいます。私も、妊娠前に長男の診断が降りていたら第二子はあきらめていたかもしれません。上の子の障害がわかってから下の子を産んだママさんはみな、いろんな覚悟を決めて産んだと言っていました。下の子を産むのは、かなり年数をあけてある程度先が見えてからにする人が多かったですね。私のように、1番大事な2歳代に療育に通えないという事態が発生しないようにすることが大事だと思います。
あとの心配は、下の子が定型児だとしても、のちのち長男の障害のことで周囲に何か言われたり、結婚などで不利にならないかということですね。これは今でも心配しています。自閉症のお兄さんがいるからと、結婚などで相手方に反対されたら本当につらいですよね。遠い将来「お母さんのせいだ!」と私が責められる日が来るのかもしれませんね。
そうならないためにも、早期に(できれば二歳代)から障害を受容し、適切な早期療育を受けて、障害を持っていたとしても自立して生活できるように訓練していかなければいけません。まだまだ頑張ります!
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